引っ越しで一番時間を要するのがモノの整理です。いるモノ・いらないモノを選定するのはそれなりの労力が必要です。今回は引っ越し前と引っ越し後の片付け方法をご紹介します。
引っ越し前の片付けを進めるコツ
頭の中をきちんと整理する
片付けをする前に行うべきことは「何がどれくらいあるのか、頭の中できちんと把握する」ことです。私たちが管理できるモノの量は、予想以上に少ないものです。中には「これ買ったっけ?」と記憶があやふやなモノが出てくるかもしれません。片付けに入る前に、今部屋にどれほどのモノがあるのか自覚することが大切です。
快適な部屋で暮らすためには、自分が管理できるモノの量に調整することがポイントです。家の広さを中心に考えると、本当に必要でないモノも持っていく可能性があります。引っ越しはすべてのモノに向き合う最大のチャンスです。新生活に必要なモノは何か考えたうえで片付けに取りかかりましょう。
しまっているモノをすべて出す
まず、今しまっているモノをすべて出してください。モノと向き合うためには、今どれほどのモノが部屋にあるのか確認します。普段掃除が行き届いていないところのモノを出す場合は、汚れている可能性があるので、床に新聞紙やいらない紙をひいて対応しましょう。できるだけモノを広げて見ることで、似たような品や全然使わないモノなどがたくさんあることに気が付きます。
すぐに段ボールへ入れたくなるものですが、ひとまずここはグッと我慢。毎日使用するモノは片付けの最後あたりに出してください。引っ越し前の片付けをスムーズに行うためにも、使っていないモノ⇒たまに使っているモノ⇒いつも使うモノの順番で行いましょう。
モノを3つに分類する
モノを広げてみた後は、それらを3つに分類しましょう。「いるモノ」「いらないモノ」「決めかねるモノ」に分けていきます。普段使わないモノはすぐにいらないモノとして選定できます。逆に使う頻度が高いモノは「いる」カテゴリーで分けられるでしょう。
一番困るのが、いるのかいらないのかを選定しづらいモノです。昔はよく使っていても、今はめっきり出番が少なくなったモノはいらない部類に分けてください。愛着があるモノほど捨てづらくなるので、「今」そのモノを使用するのか考えたうえで選定しましょう。
どうしても決めづらい場合は、決めかねるモノをひとまとめにして、少し考える期間を設けるのもアリです。その場合、いったん保留にしていたモノを再分類する日を必ず設けましょう。引っ越し日が差し迫っているのであれば、再分類をせず段ボールに詰めて、他のモノを分類してください。
いるモノからしまう
いるモノがある程度決まってきたら、段ボールや専用の箱にさっそくしまっていきましょう。使用頻度が低いモノは、そのまましまってください。使用頻度が高いモノであれば、それらを使う日を考えながらタイミングを見計らって荷造りするのがポイントです。使用頻度が高いにもかかわらず、早めにしまってしまうと後からまた取り出す…という面倒くさいことになりかねません。
決めかねるモノは、段ボールに整理した日付を必ず記入してください。そこで「再度見直す日」「段ボールに詰めた1年後の日」も記載しましょう。人の気持ちは1年の間で大きく変化するものです。今は迷う品であっても、1年後にはいるモノ・いらないモノとして選定しやすくなります。決めかねるモノの段ボールが増えると、そのぶん部屋が狭くなるので「段ボール〇箱ぶんまで」と、自分ルールを定めましょう。
引っ越し後の片付けを上手く進める方法
最初に大型の家具を配置する
新居に引っ越しをしたら、荷ほどきを始める前に大型家具の配置から始めましょう。タンスや棚に洋服やモノを収納するととても重いので、動かしにくくなります。引っ越し業者に依頼をすれば、「冷蔵庫や食器棚はどこに置きますか?」と確認をしてくれるでしょう。引っ越し業者から「この配置のほうが良くないですか?」とアドバイスをいただけることもあります。
引っ越し業者に依頼せず、自分で家具の配置を行う場合は、どこに何を置くかきちんと決めてください。大型家具を最初に配置すると、作業スペースと生活スペースをすぐに確保できます。
段ボールや荷物は使用する部屋へ持っていく
部屋に運び込まれた段ボールをすぐに開けるのではなく、使用する場所ごとに運ぶのが大切です。段ボールを梱包した後は、食器・本といった中身の情報を記載しておくと、引っ越し後スムーズに整理できます。どの部屋に運んで欲しいかも記載しておくと、引っ越し業者がその情報を見ながら各部屋に運んでくれるメリットも。
引っ越し業者から段ボールをもらった場合、モノの項目が印字されている場合も多いため、その項目に〇(マル)を付けてください。フタとなる部分に記載するのはもちろん、側面にもモノ情報を記載しておくと、段ボールを重ねていても中のモノが容易に把握できます。
すぐに使用するモノから開封する
段ボールを各部屋に持っていく作業が完了したら、開封していきましょう。ここで大事なのは「すぐに必要なモノから開封する」ことです。洋服や食器、カーテンなど、生活するうえで特に必要なモノから片付けていくと、モノが散乱することがありません。
生活導線を考えたうえで、各場所に必要なモノから収納していくのも方法の一つです。食器と一緒にフライパンや鍋などの調理器具を箱から出しておくと、料理がしやすくなります。しばらく使いそうにないモノはひとまず置いておき、時間を見つけて少しずつ開封していきましょう。
アイテム別収納のコツ
洋服
洋服は3つの収納方法があります。まずは丸める方法です。シワにならない服や靴下は丸めて収納しましょう。丸めて収納するので余分なスペースができません。洋服をたたんで積み重ねると、上にある洋服の使用頻度が高くなり、着ない服が多くなるかもしれません。丸めて収納することで、何が入っているか分かりやすいだけでなく、取り出すのも楽にできます。
しまいやすく見つけやすい方法として立てて入れるのもおすすめです。たたんで重ねるよりもシワになりにくいのが嬉しいポイント。シワが残りやすい洋服はハンガーなどを使って吊るしましょう。ジャンパーやスカート、コートなど、たたむとかさばる洋服は吊るしてください。シワができにくいよう、スカートハンガーやパンツハンガーを利用すると便利です。
キッチングッズ
キッチン周りはスペースは限られています。上手く収納をするコツは「収納グッズを使いこなす」ことです。小分けに収納する場合・食器を大きさごとに分ける場合は、プラスチックのかごを利用してみてください。半透明タイプを使えば、複数利用しても圧迫感を与えません。中身が見えるのでストレスフリーで使用できます。100均でそろえられるので、色違いでそろえると分類しやすくなるでしょう。
塩・こしょう、砂糖、しょうゆなどの調味料を入れる容器もそろえておくと、どこに何があるか分かりやすくなるものです。砂糖と塩は見た目で違いが分からないため「砂糖」「塩」とネームラベルを貼ると間違いが防げます。スペースに余裕がある場合は、調味料専用ラックを利用するのもおすすめです。キッチン上に調味料の収納スペースを作る場合は、よく使う調味料のみを厳選して収納しましょう。
いらないモノは効率的に処分しよう
引っ越し前・引っ越し後にモノと触れ合う中で、いらないモノがたくさん出てくるでしょう。それらは自治体の回収サービスをはじめ、リサイクルショップやフリマアプリ、買取業者などを利用してみてください。
とくに状態が良いブランド品やモノの場合、処分するのは気が引けるものです。買取業者の場合、鑑定士がモノを鑑定してくれるだけでなく、フリマアプリやオークションでは売れなかったモノを高値で買い取ってくれるケースがあります。いらないモノは処分して、部屋と心をスッキリさせましょう。